ロケ地紹介:神戸

このページでは、「火垂るの墓」の制作において参考にされた兵庫県神戸市の風景を、映画のシーン順に紹介していきます。
写真は映画のシーンと出来る限り同じ構図で撮影しました。
撮影期間は2010年9月です。

説明文の後の「時間」は、「火垂るの墓」DVDの該当箇所の時間を基にしています。



映画の冒頭、清太が亡くなる省線(現JR線)三ノ宮駅のコンコースです。
清太はコンコースにある円柱に寄りかかり、やがて息を引き取ります。
(時間:0分27秒)


国鉄三ノ宮駅の駅舎は終戦当時から改修で大きく変わってしまいましたが、コンコースの円柱や天井に当時の面影を偲ぶことができるようです。
(時間:0分59秒)


清太が亡くなったのは国鉄三ノ宮駅ですが、オープニングクレジットが流れる中、赤みがかった清太と節子の幽霊が電車に乗り込んだのは阪急三宮駅です。
駅ビルが無くなったために左側に壁はありませんが、ホームの端に多少の面影が残っています。
(時間:3分42秒)


阪急三宮駅を出発した電車が駅ビルから出てきて隣接する陸橋を渡るシーンです。
1936年に建設された古い駅ビル(神戸阪急ビル)は1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたために取り壊されてしまいました。
(時間:3分48秒)


電車が川を渡るシーンです。
(時間:4分29秒)


空襲で家が焼失するまで清太と節子の一家が住んでいたのは、当時の武庫郡御影町上中(かみなか)と上西(かみにし)付近です。現在は上中が神戸市東灘区御影本町6丁目、上西が同8丁目になっています。
写真は御影本町8丁目のとある路地です。
(時間:6分44秒)


上述のように上中、上西という地名は現在は消えてしまいましたが、上中に関しては交差点や公園にその名が残っています。


B29による空襲を受けた住民が、火の手から逃れるために駆け込んだ阪神電鉄本線のガード下です。
清太と節子もここに避難しようとしたものの、多数の人が押し寄せたためにガート下に入ることができませんでした。
(時間:8分08秒)


阪神電鉄本線のガード下に避難できなかった清太と節子は、今度は反対方向にある海を目指します。
当時は砂浜が残っていましたが、現在はすっかりコンクリートで覆われています。
(時間:8分55秒)


海に出た清太と節子は、石屋川に沿って公会堂を目指します。
石屋川を境に西側が神戸市灘区で、東側が清太と節子たちが住んでいた武庫郡御影町でした。
御影町は1950年に神戸市に合併し、東灘区の一部になっています。
(時間:9分08秒)


川から土手に上がった清太と節子の前に、焼け野原になった街の光景が広がります。
そんな中、公会堂だけが焼けずに残っていました。
(時間:12分10秒)


この公会堂は現在の神戸市立御影公会堂で、1933年に御影町公会堂として建設されました。
1938年の阪神大水害、1945年の神戸大空襲、1995年の阪神・淡路大震災の3つの大災害を耐え抜いた歴史ある建造物です。


ちなみに、御影公会堂から石屋川と国道2号線を挟んだ斜向かいに「火垂るの墓」の石碑が立っています。


公会堂に向かって歩き出す清太と節子。その直後、空襲で駅舎の鉄骨がむき出しになった阪神電鉄石屋川駅が映ります。絵コンテに「阪神石屋川駅付近」という記述があるので、この駅で間違いないです。
現在も駅舎の一部が石屋川の上に架かっています。
(時間:12分34秒)


石屋川駅の次に国道2号線上で路面電車がストップしているカットが映ります。
当時、国道2号線上を阪神国道線が走っていました。
(12分38秒)


清太と節子は公会堂の近くにある二本松で母と待ち合わせをしていましたが、母はいませんでした。
実際に御影公会堂の近くには松の木がたくさん立っています。
しかし、映画にあるような特徴的な二本松はありませんでした。
(13分04秒)


公会堂付近の石屋川の様子です。護岸工事により当時と比較してより整備されています。
(13分23秒)


裏手から公会堂と二本松を望むカットです。
(13分35秒)


公会堂付近に避難している人々の前に自転車に乗った警防団員が現れ、メガフォンで「上西、上中、一里塚の皆さ〜ん、国民学校に集合して下さ〜い。救護所がありまーす。」と呼びかけます。
上述の通り、上西は現在の御影本町8丁目、上中は同8丁目、一里塚は御影中町7丁目にあたります。
映画では「国民学校」としか呼ばれていませんが、原作には「御影国民学校」と固有名詞が登場しています。
御影国民学校は現在の御影小学校で、戦時中は実際にここが救護所となっていたこともあるようです。
写真はその御影小学校です。
ただし、映画に登場する校舎のモデルは、灘区にある成徳小学校の旧校舎であるという説もあります。
成徳小学校のウェブサイトに旧校舎の写真がありますが、確かに映画に登場する国民学校の校舎に似ています。
成徳小学校は原作者である野坂昭如氏の出身校でもあります。
(時間:14分11秒)


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