ハルがラクロスのスティックで猫の王子・ルーンを助ける並木通りは、阿佐ヶ谷駅から続く中杉通りを参考にしているそうです（「THE ART OF The Cat Returns」第17頁、美術監督・田中直哉氏のコメントより）。

阿佐ヶ谷駅南口を出ると、写真のようなケヤキ並木が続いています。

中杉通りの歩道です。ハルとひろみが歩いていた道と同じくレンガで舗装されていました（写真右）。

この写真とほとんと同じ形をした消火栓の標識が映画にも登場していました。

車道と歩道の間にツツジが植えられているところも同じでした。

作中に登場していたものと同色、同型の信号機もありました。
信号が赤から青に変わるとトラックが発進し、ルーンを轢きそうになりました。

作中にも登場していたパーキングメーターです。
ルーンを救出した際、ハルはラクロスのスティックをこれにぶつけて折ってしまいます。

向かい側のパーキングメーターと駐車位置を示す道路標示です。
ヒロミが「こらーっ、待てトラック！」と叫ぶシーンではっきりと確認できます。

ハルがルーンを助けた並木道は、中杉通りだけではなく原宿の表参道も参考にしているそうです（「THE ART OF The Cat Returns」第17頁、美術監督・田中直哉氏のコメントより）。

写真左が表参道東端で、写真右が西端です。車道の両脇がケヤキ並木になっている点、ショッピングストリートである点が作中の並木道と共通していますが、片側2車線である点、中央分離帯が存在し、そこに植物が植えられている点が異なります。作中の並木道が片側1車線になっているのは、片側2車線だとハルがルーンを助けて車に轢かれずに渡り切るには広すぎるからだそうです（「THE ART OF The Cat Returns」第21頁、美術監督・田中直哉氏のコメントより）。

表参道にも消火栓の標識がありました。歩道の雰囲気は中杉通りの方が作中の並木道に近いような気がします。

映画の冒頭、ハルが登校している時に大学の野球部が歩道橋の上を走っていましたが、表参道にも似たような歩道橋がありました。

寝坊して急いで登校するハルは歩道の段差に足を取られて靴が脱げてしまい、そこを歩道橋を降りてきた大学の野球部が列になって走っていったために靴を拾うことができず、結局遅刻してしまいます。歩道橋の近くに横断歩道の道路標示がある点（写真左）、歩道橋と点字ブロックの位置関係（写真右）なども非常に似ていました。

ユキの声の導きによりハルがムタと会う十字街のモデルとなったのは、横浜の元町商店街です（「THE ART OF The Cat Returns」第56頁、美術監督・田中直哉氏のコメントより）。写真は商店街入口のフェニックスアーチです。

車道がレンガ造りである点、車道と歩道の間に植物の植え込みがある点が十字街と共通していますね。歩道の幅が一定ではなく、車道がクネクネと曲がっているところも同じです。

通りの両脇には洋風でオシャレなショップがたくさんあります。

商店街には実際に十字路がありましたが、十字街のそれと比べると小さいものでした（写真左）。そして、少し離れた場所にハルとムタが出会った白い丸テーブルとイスによく似たものが実際に置かれてありました（写真右）。

十字街は吉祥寺のサンロードも参考にされています（「THE ART OF The Cat Returns」第56頁、美術監督・田中直哉氏のコメントより）。

サンロードの入口（写真左）とその内部（写真右）です。こちらはあまり十字街の雰囲気と似ていないような気がします。
一部の店舗が参考になっているのかもしれません。

ハルが通う高校の向かい側にあるお店「銭亀屋」のモデルになった菓子屋さんが小金井北高校の向かい側にあります。店名も似ていますが、看板のデザインもそっくりです。ハルが猫の集団に追いかけられながら登校するシーンで確認できます。

小金井北高校の向かい側にあるドラッグストアです。ハルが通う高校の向かい側にスーパー「フレッシュ三光」がありますが、映画の公開当時、この場所に「フレッシュ和光」というスーパーがあったそうです。

小金井北高校の正門です。ハルが通う学校とは門の広さも校舎の形状も全く違います。

ハルに助けられる前、箱をくわえたルーンが並木道沿いにあるお店から出てきますが、そのモデルになったケーキブティックが実在します。東京メトロ・新高円寺駅から青梅街道を西に約350メートル行ったところで路地を少し入った場所にある「MYNT」さんです。「THE ART OF The Cat Returns」（徳間書店刊）という本の表紙にもなっています。

現在は青梅街道沿いに新しい店舗が出来ています（写真左）。お店の詳しい情報はこちら。
作中に登場するお魚のクッキーも販売しているようです（写真右）。

お店には森田宏幸監督のメッセージとイラストが書かれた色紙が飾られていました。