高畑勲バイオグラフィー
生誕−1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代−死没

月日 高畑勲の軌跡(生誕−1950年代
1935 10/29 7人兄弟の末っ子として、三重県宇治山田市(現伊勢市)に生まれる。
1938   津市に転居する。
1942 04 三重県立師範学校男子部附属国民学校に入学。
1943   父の転勤に伴い、岡山県立師範学校男子部附属国民学校に転入。
1948 04 岡山大学附属中学校に入学。
1951 04 岡山県立朝日高校に入学。
1954 03 同校を卒業。
1955 04 東京大学文学部フランス文学科に進学。
1958 10 東映動画の演出助手募集に応募、内定。
1959 03 東京大学を卒業。
04 東映動画に入社。同期に池田宏、黒田昌郎、小田部羊一、彦根範夫など。
月日 高畑勲の軌跡(1960年代
1961 07/19 初参加作品である映画「安寿と厨子王丸」(薮下泰司・芹川有吾演出)公開。演出助手を務める。
1962 04/22 映画「たのしい文明史 鉄ものがたり」(前田一演出)公開。制作進行、演出助手を務める。
1963 03/24 映画「わんぱく王子の大蛇退治」(芹川有吾演出)公開。演出助手を務める。
  TVシリーズ「狼少年ケン」にて演出を12本担当。初めてアニメーションの演出を務める。
制作開始時よりアドバイザーとして参加し、『第6話くたばれ!まだら族』のCパートで演出に昇格する。
1964 07/13 映画「暗黒街最大の決闘」(井上梅次脚本・監督)公開。社内留学により東映撮影所に出向し、助監督を務める。
1965   TVシリーズ「ハッスルパンチ」のオープニング演出を担当する。
  映画「太陽の王子」の演出に就任。会社側から長編映画の作画監督に指名された大塚康生が、引き受ける条件として組合などで親交のあった高畑を演出に推薦。
  秋頃、「太陽の王子」の準備作業が開始される。
1966 04/04 深沢一夫のシナリオ決定稿を基に、大塚康生とともに「太陽の王子」の絵コンテ作業を開始する。4月中に作画が開始される。
10/14 制作スケジュール遅延のため、会社側から「太陽の王子」の制作中断が発表される。
1967 01/17 「太陽の王子」の制作が再開される。
1968 03/19 「太陽の王子」が完成し、初号試写が行われる。
07/21 映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」公開。演出を努める。しかし、興行成績が悪く、高畑は大幅な制作遅延の責任を問われ、TVシリーズ「ひみつのアッコちゃん」の演出助手に降格させられる。
1969   TVシリーズ「ゲゲゲの鬼太郎」の第62話『海じじい』より演出に復帰。
  TVシリーズ「もーれつア太郎」の演出を9回・15本担当。第77話から90話のオープニング演出も担当。
月日 高畑勲の軌跡(1970年代
1970   前年に引き続き、TVシリーズ「もーれつア太郎」の演出を担当。
1971   TVシリーズ「ゲゲゲの鬼太郎」(新)のオープニングとエンディング、及び第5話の演出を担当。
  TVシリーズ「アパッチ野球軍」の演出を3本担当。
09/10 小田部羊一、宮崎駿と共に東映動画を退社。「長くつ下のピッピ」制作のためAプロダクション(現シンエイ動画)に移籍。
しかし、原作者アストリッド・リンドグレーンの同意が得られず制作中止となる。
11/21 TVシリーズ「ルパン三世」第5話『十三代五ヱ門登場』放映。大隅正秋の降板後、宮崎駿とともに演出を担当。
第15話まではノンクレジット、第16話以降は「Aプロダクション演出グループ」名義。
1972   TVシリーズ「赤胴鈴之助」のチーフ・ディレクター代理を一時務める。正規のチーフ・ディレクターである吉田茂承が病気のため。
  日中国交正常化により中国からパンダが贈られ、ブームになる。そこで、東京ムービーでの旧企画案の中から「パンダコパンダ」が浮上する。
12/17 映画「パンダコパンダ」公開。演出を務める。
1973 03/17 映画「パンダコパンダ 雨ふりサーカス」公開。演出を務める。
  TVシリーズ「荒野の少年イサム」の絵コンテを2本、演出を1本担当。
06 Aプロダクションを退社。小田部羊一、宮崎駿とともにズイヨー映像に移籍し、「アルプスの少女ハイジ」の準備作業に入る。
07 「アルプスの少女ハイジ」の制作に向けて、小田部羊一、宮崎駿とともにスイスとドイツにおいてロケハンを行う。
1974 01/06 TVシリーズ「アルプスの少女ハイジ」放映開始。全52話の演出と3本の絵コンテを担当。綿密なロケハンを生かした丹念な生活描写により後の名作路線を確立。
1975   TVシリーズ「フランダースの犬」の絵コンテを1本担当。
06/03 ズイヨー映像が日本アニメーションへと独立改組され、引き続き同社の所属となる。
  小田部羊一、宮崎駿とともに「母をたずねて三千里」の準備作業に入る。
06-07 「母をたずねて三千里」の制作に向けて、宮崎駿とともにイタリアとアルゼンチンにおいてロケハンを行う。
1976 01/04 TVシリーズ「母をたずねて三千里」放映開始。全52話の演出と5本の絵コンテを担当。
1977   TV「アルプスの音楽少女 ネッティのふしぎな物語」のアニメーション部分の演出、絵コンテを担当。
  TVシリーズ「シートン動物記 くまの子ジャッキー」の絵コンテを2本担当。
1978   TVシリーズ「ペリーヌ物語」の絵コンテを2本担当。
  TVシリーズ「未来少年コナン」の演出を2本(宮崎駿と共同)、絵コンテを5本担当。
1979 01/07 TVシリーズ「赤毛のアン」放映開始。全50話の演出と36本の脚本、5本の絵コンテを担当。
月日 高畑勲の軌跡(1980年代
1980 07/19 TVシリーズ「母をたずねて三千里」の再編集劇場版が公開される。監修として高畑自らが編集に携わる。
  東京ムービーの社長である藤岡豊の要請を受け、映画「じゃりン子チエ」の監督に就任。
美術の山本二三と共に、大阪の下町を現地に住み込みながらロケハンする。
1981   テレコム・アニメーションフィルムに移籍。
04/11 映画「じゃりン子チエ」公開。脚本、監督を務める。
  TVシリーズ「じゃりン子チエ」の全話のチーフディレクターと1本の演出、3本の絵コンテ、オープニング作曲原案を担当。
  日米合作「リトル・ニモ」の準備のため、アメリカのロサンゼルスに渡る。以降、TVシリーズ「じゃりン子チエ」のチーフディレクターの責任を実質的に放棄。
1982 01/23 映画「セロ弾きのゴーシュ」公開。脚本、監督を務める。
08 日米合作の劇場用長編「リトル・ニモ」制作のため、ロサンゼルスに渡って約1か月の特別講習会に参加する。
1983 03 「リトル・ニモ」の準備作業のため、東京とロサンゼルスを行き来する。しかし、アメリカ側のプロデューサーであるゲーリー・カーツと意見が合わず、「リトル・ニモ」の演出を自ら降板。
10/31 高畑勲解説の著書「『ホルス』の映像表現」が徳間書店よりアニメージュ文庫として発行される。
1984 03/11 映画「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督)公開。プロデューサーを務める。
04/30 高畑勲解説の著書「話の話」が徳間書店よりアニメージュ文庫として発行される。
  二馬力で自主制作の記録映画「水のめぐるまち柳川」の準備作業開始。
1985 01 記録映画「柳川堀割物語」を福岡県柳川市で撮影開始。
06/15 東京都武蔵野市吉祥寺に株式会社スタジオジブリが設立される。
1986 08/02 映画「天空の城ラピュタ」(宮崎駿監督)公開。プロデューサーを務める。
1987 04/02 3年がかりで制作された記録映画「新文化映画 柳川堀割物語」完成、自主上映される。脚本、監督を務める。
04 野坂昭如原作の「火垂るの墓」の製作発表を行い、準備作業に入る。
1988 03/28 共著書「アニメの世界」が新潮社より発行される。
04/16 映画「火垂るの墓」公開。脚本・監督を務める。製作期間不足により一部未完成のままで公開となる。
リテークが終了したのは4月30日、完全版は後に発売された映像ソフトで鑑賞できる。
1989 07/29 映画「魔女の宅急便」(宮崎駿監督)公開。音楽演出を担当。
09 「おもひでぽろぽろ」の準備作業を開始。
11/16 「おもひでぽろぽろ」のシナリオ・ハンティングのため、鈴木敏夫とともに山形県高畠町を訪れる。
有機農業や農家の嫁不足など、日本の農業の事情を取材する。
月日 高畑勲の軌跡(1990年代
1990 07/11 「おもひでぽろぽろ」制作のため山形にてロケハンを行う。
09 TVシリーズ「赤毛のアン」の第1話から第6話までを再編集した映画「赤毛のアン グリーンゲイブルズへの道」が公開される。
監督として高畑自らが編集に携わる。
1991 07/20 映画「おもひでぽろぽろ」公開。脚本、監督を務める。また、主題歌「愛は花、君はその種子」の日本語訳詞を担当。
07/31 高畑勲訳著の「木を植えた男を読む」が徳間書店より発行される。
08/31 自身の著書「映画を作りながら考えたこと」が徳間書店より発行される。
1992 03/29 アニドウが「もりやすじのアニメーション世界を語る」と題したトークショーを開催。ゲストとして出席。
08/06 東京都小金井市にスタジオジブリの新社屋が完成。
  「平成狸合戦ぽんぽこ」の準備作業を開始。
1994 07/16 映画「総天然色漫画映画 平成狸合戦ぽんぽこ」公開。原作、脚本、監督を務める。
1995 04 演出希望者養成のため、スタジオジブリ内で「東小金井村塾」を開講。
06 第35回アヌシー・アニメ映画祭に出席。「総天然色漫画映画 平成狸合戦ぽんぽこ」が長編賞受賞。
12/16 「東小金井村塾」が修了。
1997 06/01 スタジオジブリが徳間書店に吸収合併され、「株式会社徳間書店スタジオジブリ・カンパニー」となる。
  「となりの山田くん」の制作がスタート。
1998   秋の紫綬褒章を受章。
1999 03/31 自身の著書「十二世紀のアニメーション―国宝級絵巻に見る映画的・アニメ的なるもの―」が徳間書店より発行される。
12世紀の日本絵巻と現代のアニメーション・漫画との関連性を多角的に研究・分析している。
07/17 映画「ホーホケキョ となりの山田くん」公開。脚本、監督を務める。また、挿入曲「ケ・セラ・セラ」の日本語訳詞を担当。
07/31 自身の著書「映画を作りながら考えたこと 2」が徳間書店より発行される。
月日 高畑勲の軌跡(2000年代
2000 10/13 人形芝居「まほろばのこだま〜ののさまたちが目を覚ます」の構成、演出を担当する。
2001 10/01 「三鷹の森ジブリ美術館」開館。高畑は宮崎が設計した同美術館を絶賛しており、パンフレットでは「宮崎駿の新しい贈り物」と題して美術館の建築的意義を述べている(文章は8月25日に作成)。尚、同館の理事に就任。
2003 08/02 フランスのアニメーション映画「キリクと魔女」(1998年、ミッシェル・オスロ監督)日本公開。日本語版翻訳・演出を担当。
12/13 映画「冬の日」(川本喜八郎監督)公開。名残表十句・芭蕉の短編アニメーションの演出を務める。
12/13 映画「冬の日の詩人たち」(和田敏克構成・演出)に出演する。
2005 03/18 「宮崎駿の新しい贈り物」をもとにしたDVD「宮崎駿とジブリ美術館」発売。三鷹の森ジブリ美術館を宮崎駿の長男である宮崎吾朗とともに案内・解説をする。
05/21 三鷹の森ジブリ美術館の企画展示「アルプスの少女ハイジ展〜その作り手たちの仕事〜」が始まる。
  高畑の出身地の1つである岡山県で開催された「晴れの国おかやま国体」の開会式および閉会式のクリエイティブアドバイザーを務める。
2006 05/07 「アルプスの少女ハイジ展〜その作り手たちの仕事〜」が終了。
07/29 共著書「王と鳥 スタジオジブリの原点」が大月書店より発行される。
07/29 フランスのアニメーション映画「王と鳥」(1980年、ポール・グリモー監督)日本公開。日本語字幕翻訳を担当。
2007 05/30 自身の著書「漫画映画(アニメーション)の志 『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』」が岩波書店より発行される。
07/21 フランスのアニメーション映画「アズールとアスマール」(2006年、ミッシェル・オスロ監督)日本公開。日本語版監修・翻訳・演出を担当。
2008 01/10
01/17
学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学専攻のカリキュラムの一環として、大塚康生と共に2週連続で講演会を開く。演題は「線で捉え、描き、動かす〜セル・アニメーション映画における身体表現」。
2009 08/06 ロカルノ国際映画祭にて名誉豹賞を受賞。
月日 高畑勲の軌跡(2010年代−死没
2010 03/28 「東京アニメフェア2010」の一環として開催された「第9回東京アニメアワード」において「功労賞」を受賞。
2012 07/14 映画「いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜」(海南友子監督)に出演する。
2013 11/16 映画「夢と狂気の王国」(砂田麻美監督)に出演する。
11/23 映画「かぐや姫の物語」公開。原案、脚本、監督を務める。
2014 03/20 東京アニメアワードフェスティバル2014にて特別賞「アニメドール」を受賞。
04/28 第23回日本映画批評家大賞にてアニメーション監督賞を受賞。
2015 03/22 東京アニメアワードフェスティバル2015の「アニメ オブ ザ イヤー部門」にて監督賞を受賞。
04/07 フランス政府から芸術文化勲章オフィシエを授与される。
2016 02/06 アニー賞にて功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を受賞。
09/17 映画「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)公開。アーティスティック・プロデューサーを務める。
2018 04/05 午前1時19分、帝京大学医学部附属病院にて肺癌のため死去。満82歳没。

太字…高畑勲が実制作に携わったアニメーション作品
赤太字…高畑勲が演出あるいは監督を務めたアニメーション作品
赤字…高畑勲が演出あるいは監督を務めたアニメーション作品のサブタイトル
青太字…高畑勲が演出あるいは監督を務めたアニメーション以外の作品
メニュー
バイオグラフィー
フィルモグラフィー
ソフトリスト
書物リスト
リンク