ロケ地紹介:多摩丘陵

このページでは、「平成狸合戦ぽんぽこ」の制作において参考にされたであろう多摩丘陵とその周辺の風景、そして本作にゆかりのあるスポットを紹介します。
説明文の後の「時間」は、「平成狸合戦ぽんぽこ」DVDの該当箇所の時間を基にしています。


映画の中で多摩のタヌキ達が拠点にしていた菩提餅山万福寺(ぼたもちさんまんぷくじ)のモデルになった龍生寺阿弥陀堂です。作中のお堂とあまり似ていませんが、この建物がモデルになったことを本作の美術監督である男鹿和雄さんが、2007年7月28日に日本テレビ系列で放送された特別番組「トトロの森を描いた人。ジブリで発見!残したい日本の原風景」で語っています。
(時間:6分46秒)


境内の手前に階段があるのは作中と同じです。
写真ではお堂のすぐ近くに立っている石灯篭が、作中では階段の横に立っています。
(時間:7分15秒)


阿弥陀堂の中には写真のような青い陶磁器がありますが、作中でもお堂の中で横に置かれています。
(時間:7分39秒)


映画では万福寺の境内に鐘楼がありますが、これがモデルになっているのかもしれません。
(時間:9分11秒)


宅地開発中の丘にピクニックに来ていた家族の後ろに映っていた給水塔です。
似たような給水塔が多摩市南野に実在します。
(時間:29分26秒)


多摩ニュータウンの開発中にコンクリートで護岸化された乞田川です。
2015年3月14日から5月24日にかけてパルテノン多摩で開催された「アニメーションと多摩」において、高畑監督が日本アニメーション在籍時に目にした乞田川が護岸化されていく様子を「平成狸合戦ぽんぽこ」で使ったと語っています。
(時間:32分35秒)


場面変わって、四国から三長老が多摩にやってくるシーンです。
京王線の電車が多摩川にかかる鉄橋を渡るシーンから始まりますが、作中と同じアングルで撮影するのは不可能なんで、横から撮影しました。
鉄橋をこのアングルでとらえたシーンは、映画のラスト近くにあります。
(時間:60分52秒)(時間:104分12秒)


作中には登場しませんが、絵コンテには鉄橋を渡る電車のシーンの次に聖蹟桜ヶ丘駅のホームと駅名標を描いたカットがあります。駅名がモロに出ているんで、完成した本編映像では削除されたのかもしれません。


電車が止まり、三長老と玉三郎がホームに降りるシーンです。
聖蹟桜ヶ丘の1番線ホームです。ちなみに、「耳をすませば」には同駅の2番線ホームが登場します。
(時間:60分55秒)


三長老と玉三郎が改札を出るシーンです。
「耳をすませば」では駅構内から見た改札が描かれていましたが、本作では駅構外から見た改札が描かれています。また、「耳をすませば」では左右両方に事務室がありましたが、本作では現実同様に左側にのみ事務室があります。
(時間:60分59秒)


三長老が駅の表へ出てくるシーンです。
写真と同様に作中では斜めからのアングルになっていて、看板の文字が「ヶ丘駅」の部分しか確認できません。
(時間:61分05秒)


三長老と玉三郎を乗せたオープンカーが聖蹟のビル街を疾走するシーンです。
絵コンテには「桜ヶ丘のビル街」と記されていますが、正確には川崎街道の多摩市関戸地区です。
(時間:61分09秒)


万福寺が解体され、「トレンディーな住宅地へ変わりました」のナレーションが入るシーンです。
絵コンテには「南大沢ベルコリーヌ」と記されていますが、ベルコリーヌ南大沢には実際に作中と同じような景観になるスポットがあります。
(時間:111分15秒)


ベルコリーヌ南大沢の周辺には、作中同様に住宅地を結ぶ歩道橋が幾つか存在しています。
(時間:111分19秒)


ベルコリーヌ南大沢の北側を走る大通りです。
作中ではベルコリーヌ南大沢と大通りの間には写真よりもだいぶ高低差があります。
(時間:111分30秒)


タヌキの絵が描かれた「動物注意」の標識が登場するシーンです。
写真は東京都道156号町田日野線の町田市図師町付近です。近くに日本聾話学校や都立野津田高校があります。
標識と樹木の位置関係や、道路右側にコンクリートの壁と速度制限の標識があることなど、何かと共通点が多いです。
絵コンテにも「町田市の『動物注意』の標識」と記されているので、ここが参考にされている可能性は高いと思います。
(時間:111分39秒)


「動物注意」の標識のアップです。右側の電柱と街路灯も作中にほぼそのまま登場しています。
(時間:111分43秒)


ナレーションにのみ登場する新宿の花園神社です。
境内は新宿のビル街の中にあって緑が多い土地ですが、とてもタヌキが生息しているとは思えませんでした。
(時間:112分58秒)


人間に化けている正吉を乗せた電車が陸橋の上を通って駅に到着するシーンです。
場所は京王多摩センター駅で、絵コンテにもそう記されています。
作中同様に陸橋の右側が駅になっています。
(時間:113分05秒)


京王多摩センター駅の近くには、実際に府中カントリークラブというゴルフ場があります。
同ゴルフ場の北側を走る道路は、映画のラスト近くで帰宅途中の正吉が歩いていた路地と似ています。
(時間:114分04秒)


多摩市と稲城市の境にある丘陵にも幾つかのゴルフ場が存在しています。
写真は桜ヶ丘カントリークラブです。
(時間:114分18秒)


映画のエンディングはゴルフ場の上空から見た新宿のビル街の夜景です。
桜ヶ丘カントリークラブから見た新宿のビル街は、映画よりも近くに見えます。
(時間:116分03秒)

ロケ地紹介:四国

映画では玉三郎に連れられて四国から三長老が多摩にやって来ます。
そこで、ここからは三長老にゆかりのあるスポットを紹介したいと思います。


三長老の中で最年長の太三郎禿狸(屋島の禿)は、佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸と並んで三名狸に数えられています。
写真は香川県高松市にある屋島寺で、写真右は境内にある蓑山大明神です。


映画には禿狸が若き日に見た那須与一に変化し、扇の的を射るシーンがありますが、屋島寺でもそれを紹介していました。


次に紹介するのは隠神刑部にゆかりのあるスポットです。
隠神刑部は映画では太三郎禿狸に次ぐ年長の狸で、妖怪大作戦において術に殉じて亡くなってしまいます。
六代目金長の弔辞における松山藩のお家騒動の件は、実際に現地で伝えられてきた民話をもとにしています。



写真は愛媛県松山市久谷町にある隠神刑部ゆかりのスポット「山口霊神」です。


最後に紹介するのは、三長老の中で最も若い六代目金長にゆかりのあるスポットです。
なぜ彼だけ六代目なのかというと、初代の金長が阿波狸合戦で命を落としているからだと思われます。


徳島県小松島市にある金長神社です。映画にも「金長大明神」という名前で登場しています。
鳥居を2つ潜った先に奥殿がある点、鳥居の横に大きな木があり、そこに立札がある点(写真右)など、かなり共通点が多く、実際にここを参考にしたと思われます。
(時間:53分00秒)


「金長神社にようこそ」の狸の石像。


奥殿の中の様子です。天井から釣り下がった赤い提灯、作中ではおみくじが出てくる社、金長狸像の3つとも映画に登場します。
・赤提灯(時間:53分25秒)
・金長狸像(時間:53分38秒)
・おみくじ社(時間:53分42秒)


神社の外にも狸の石像などゆかりのあるものが沢山置いてありました。


阿波狸合戦のお膝元なだけあって、金長神社の最寄駅である南小松島駅前にも狸像がありました。
2013年に誕生した小松島市のゆるキャラ「こまポン」は、金長狸をモチーフにしています。
また、徳島県をホームタウンにしているJリーグ・クラブである徳島ヴォルティスのマスコットもタヌキです。
奇しくも、多摩地区をホームタウンにしているFC東京のマスコットもタヌキなんですよね。

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