ロケ地紹介:白谷雲水峡・太鼓岩


2日目、シシ神の森内部のイメージとなった白谷雲水峡にやって来ました!
宮之浦地区中心部から路線バスで30分ほどで到着します。
1995年5月15日、宮崎駿監督をはじめとしたスタジオジブリのスタッフがここでロケハンを行なっています。
写真は白谷雲水峡の入口で、入山料300円を支払わなくてはなりません。


入口付近には案内板があります。


登り始めると、いきなり大きな岩に出くわします。これは憩いの大岩と呼ばれる巨大な花崗岩で、人の大きさと比べると如何に巨大な岩か分かると思います。


白谷川の流れです。まだ白谷雲水峡の下の方なんですが、この辺りから岩にコケが付き始めてます。


飛流おとしです。巨大な岩の割れ目を豊富な水量の清流が轟音とともに流れ落ち、とても迫力がありました。


さつき吊橋です。この橋を渡ると本格的な登山道に入ります。


登山道に入ると、そこには一面緑の世界が広がっています。
岩にも(写真左)、木の根にも(写真右)にもコケが生えています。
日本は世界的に見ても雨が多い国ですが、屋久島はその日本でも1・2を争うくらい雨の多い場所です。
島の中央部に九州最高峰の宮之浦岳を始めとした標高の高い山がそびえ、黒潮に乗った暖かく湿った空気が山にぶつかって雲が発生し、大量の雨をもたらします。こうした湿潤な環境がコケの生育に適しているのです。


清流とコケの生した岩は非常に絵になりますね。


白谷雲水峡の名物の1つであるくぐり杉です。屋久杉の巨大な根元を人がくぐることができます。
ここを過ぎてしばらくしたところに白谷小屋があり、その付近で最初の休憩をとりました。


白谷小屋から5分くら歩いたところに七本杉があります。ここを過ぎてしばらくすると苔むす森に着きます。


苔むす森です。ここは昔「もののけ姫の森」と呼ばれ、それを示す看板も設置されていましたが、あまりに多くの観光客がここで足を止めて周囲を踏み荒らしたため、2008年に「苔むす森」に呼称を変更し、看板も取り外されました。
その経緯は以下のブログで書かれていますので、興味ある方は一読して下さい。
「もののけ姫の森」を消しませんか?
「もののけ姫の森」の最期


コケが豊かに生育している屋久島においても、苔むす森のコケは圧巻です。
樹木、岩石問わず、青々と茂っています。屋久島で一番シシ神の森深部の雰囲気を味わえる場所ですが、この貴重な環境を壊すような行為は絶対に謹んで下さい。


屋久島のコケで忘れてはいけないのが、「水滴を湛えたコケ」です。
銃で撃たれたアシタカの傷口をシシ神が塞ぎ、アシタカが目を覚ます直前のカットに使われています。
当該カットの絵コンテに「屋久島で見た!!」と記されています。
(DVD:65分01秒、フィルムコミック完全版第3巻:P138・1コマ目)


苔むす森からさらに登ると、太鼓岩という絶好のビュースポットがあります。
眼下に豊かな森が広がり、遠くに宮之浦岳、永田岳、黒味岳といった屋久島を代表する山を望むことことができます。
雨が非常に多い屋久島において写真のように晴れわたることは珍しく、運が良かったです。
写真左の右端の山が屋久島最高峰にして九州最高峰の宮之浦岳(1936m)で、写真右がそのアップです。


この太鼓岩からの眺めは、「黙れ小僧!」で有名な、夜中にアシタカとモロが対峙したシーンの風景にそっくりです。
巨大な岩から見下ろす森の絶景、中央の谷に沢が流れているなど、偶然とは思えないくらい似ています。
白谷雲水峡のロケハンの際、スタッフがここまで登って来たかは定かではありませんが、この風景を大いに参考にしたとは思われます。上の写真は映画のカットに合わせて撮影したもので、中央に流れているのは安房川上流の南沢です。
(DVD:79分33秒、フィルムコミック完全版第4巻:P38・2コマ目)


そして、この太鼓岩自体も非常に大きく、モロ一族が塒にしていた巨大な岩を彷彿とさせます。


太鼓岩からの眺めを満喫した後、来た道を引き返し、登って来た時とは別の屋久杉を多く見ることができるコースで下りました。写真は三叉路からすぐのとことにある二代くぐり杉です。


奉行杉です。


三本槍杉です。


三本足杉です。樹幹が根元で三本の足のように分かれています。


二代大杉です。


二代大杉から少し下ったところに、サカキの幼木が生えていました。
サンが刀で切り、銃で撃たれて倒れているアシタカの頭上に突き刺した木です。


白谷雲水峡に生育する屋久杉の中ではもっとも有名な弥生杉です。
スタジオジブリのスタッフもこの杉を観察したようです。

弥生杉を見て白谷雲水峡の散策は終了です。
往復で約四時間半、太鼓岩で30分くらい時間を費やしたので、トータルで5時間くらいかかりました。
白谷雲水峡から路線バスで宮之浦地区まで戻り、そこからバスを乗り継いで安房地区へと移動しました。
2日目からは安房地区の民宿「水明荘」に宿泊することにしました。水明荘の様子と3日目の目的地・ヤクスギランドについては次のページで紹介します。


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