ロケ地紹介:西部林道・島内一周

4日目は、前日に引き続きレンタカーを借り、屋久島を1周することにしました。屋久島は海に山に見所の多い島です。
ただ1周するだけなら3時間程で済みますが、1日かけてゆっくり楽しむことにしました。


安房地区にある民宿「水明荘」を出発し、まずは松峯大橋から安房川の渓谷を撮影しました。
渓谷沿いに鬱蒼とした照葉樹林が広がっています。


安房から南に進路をとり、まずは猿川のガジュマルを見に行きました。
ガジュマルは熱帯・亜熱帯地域に生育するクワ科の常緑高木で、日本では屋久島が北限になっています。
屋久島の標高の低い場所では、熱帯・亜熱帯性の植物を見ることができます。


次に向かった場所はトローキの滝です。「ぽん・たん館」の駐車場に車を止め、県道沿いにある写真右の道標から狭い歩道に入って坂を下ると滝のビュースポットがあります。
この滝は落差は6メートル程しかないのですが、日本に2つしか存在しない「海に直接流れ落ちる滝」のうちの1つです。


トローキの滝の上流には千尋の滝という落差60メートルの屋久島第2の大きな滝があります。
「千尋」は「ちひろ」ではなく「せんぴろ」と読みます。
滝の大きさもさることながら、左の巨大な一枚岩は物凄く迫力があります。


小島地区にあるシドッチ上陸記念碑です。イタリア人宣教師ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティは鎖国下の日本への渡航を決意し、1708年10月に侍に扮してこの地に上陸しましたが、すぐに地元の役人に捕えられ、長崎→江戸と護送され、江戸の切支丹屋敷に幽閉されました。記念碑は1980年3月に建立されました。
記念碑のすぐ近くにはサンタマリア教会があります(写真右)。


平内海中温泉です。満潮時は水面下に沈んでしまうため、干潮時の前後2時間くらいしか入ることができません。
絶景を見ながらの入浴は最高でした。


中間のガジュマルです。屋久島のガジュマルの中では最も大きな個体で、樹齢300年とも言われています。


中間のガジュマルの近くには屋久島フルーツガーデンがあります。入館料は500円です。
ガーデン内では様々な熱帯・亜熱帯性の植物が栽培されており、係の人が案内してくれます。
また、ガーデン内で採れたマンゴーやパッションフルーツをその場で食することができます(写真右)。
搾りたてのジュースもおいしくいただきました。


栗生川河口にあるメヒルギの自生地です。屋久島は種子島とともにマングローブ植物の北限域にあたります。
写真は干潮時の様子で、満潮時には水に浸ってしまいます。


落差88メートル、屋久島最大の大川の滝です。「大川」は「おおこ」と読みます。
水量が豊富で、間近で見ると物凄い迫力があります。写真撮影スポットまで水しぶきが飛んできます。
日本の滝百選にも選ばれている名瀑です。


大川の滝からさらに進むと、瀬切大橋に差し掛かります。
これより先が西部林道であり、屋久島で唯一海岸線まで世界自然遺産に指定されている地域です。
屋久島の世界自然遺産地域で車で走ることができるのもこの辺りのみになっています。


西部林道に入ると、早速ヤクザルの群れがお出迎えです。
ニホンザルの亜種で、本土のサルよりも少し小型です。結構近づいても逃げないので上手く写真に撮れました。
ただし、サルを刺激したりエサを与えるような行為はご法度です。


西部林道一帯は、海岸線から尾根付近まで鬱蒼とした照葉樹林が広がります。
屋久島の照葉樹林は世界最大規模の原生林で、緑が実に鮮やかで迫力があります。
スタジオジブリのスタッフは1995年5月16日、屋久島南西部の照葉樹林を観察したらしいので、恐らくこの西部林道にも足を運んだのではないでしょうか。この照葉樹林の観察が屋久島ロケハンのメインだったそうです。外から見たシシ神の森はまさにこんな感じでしたね。


途中、道路の幅員が急に狭まり、本格的な林道となります。


ヤクザルほどではありませんが、ヤクシカもたくさん目にすることができました。


国割岳付近は屋久島の植物の垂直分布を顕著に見ることができます。
標高の低い方が鮮やかな緑の照葉樹林帯で、高い方が濃緑のスギ樹林帯です。
あいにく、スギ樹林帯はガスがかかっていて分かりにくかったので、アップで写真を撮りました(写真右)。


しばらくすると、海の向こうに口永良部島が見えてきました。永田岬にある屋久島灯台も見えてきます(写真右)。


屋久島灯台への分かれ道に差し掛かる前に、世界自然遺産地域が終わります。


折角なので屋久島灯台に立ち寄ってみました。思ったより大きかったです。


この日屋久島は小雨が降っていたのですが、西部林道を抜けて永田地区に入ると雲が切れて晴れていました。
屋久島は中央の山岳部と南東部は降水量が多いのですが、北西部は比較的少ないのです。
写真は世界有数のウミガメの産卵地として有名な永田いなか浜です。


屋久島うみがめ館です。中に入ると案内役の方にウミガメの生態について詳しく解説してもらえます。
ここはウミガメの保護活動の拠点にもなっているそうです。


志戸子ガジュマル公園です。中に入るには入園料200円を支払わなくてはなりません。
屋久島でガジュマルを目にするのは珍しくないのですが、ここの公園のように群生する場所はなかなかありません。


公園内はまさにガジュマルのトンネルでした。


公園内には様々な大きさと形のガジュマルが生い茂っていました。


宮之浦地区を過ぎると再び小雨が降って来ました。写真は県道沿いに自生するハイビスカスです。


田代海岸の南端にある枕状溶岩です。
海底の火山活動で出来た溶岩がフィリピン海プレートに乗って移動し、屋久島の場所に来た時に隆起したため、屋久島が火山島でないにも関わらず写真のように溶岩を見ることができます。

この後、安房地区でレンタカーを返却して島内一周は終了です。
海岸沿いを一周するだけで、これだけ多種多様な自然を見ることができるのが屋久島の特徴です。


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